金沢文化スポーツコミッション

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感染防止と競技会運営【コラム】

「コラム」掲載スタートします!
これから、スポーツを「する人、観る人、支える人」に役立つ、専門家によるオリジナルコラムを公開していきますので、お楽しみに!
第1弾は、安全な競技会運営について、金沢星稜大学人間科学部スポーツ学科の奥田鉄人教授にお聞きしました。

新型コロナウイルス感染拡大防止対策を行った安全な競技会運営について

金沢星稜大学 奥田鉄人教授

金沢医科大学卒業後、同整形外科入局助手から講師へ。W. M. Keck Center for collaborative Neuroscience, Rutgers University (NJ, USA)留学、平成26年から金沢星稜大学人間科学部スポーツ学科教授。
日本整形外科学会専門医、日本脊椎脊髄病学会指導医、日本オリンピック委員会(JOC)強化スタッフ、日本水泳連盟医事委員、アンチ・ドーピング委員など。帯同歴多数あり。

 


金沢星稜大学人間科学部スポーツ学科の奥田鉄人です。専門は整形外科(なかでも脊椎外科)ですが、この1年は新型コロナウイルス感染拡大防止対策を考える機会が非常に多くありました。今回は感染拡大防止対策を行った安全な競技会運営について少しですが記載したいと思います。

入館時の検温

昨年の冬から春にかけて新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い多くの競技会が中止されました。緊急事態宣言が解除されてからは、まずスポーツ庁が2020年5月14日に「スポーツイベント再開に向けた感染拡大予防ガイドライン」を発表し、各中央団体にて競技ごとに競技特性を踏まえたガイドラインが作成され、私の関係する水泳競技では、日本スイミングクラブ協会が5月18日に「スイミングクラブにおける新型コロナウイルス感染拡大予防のためのガイドライン」を公開、日本水泳連盟は6月15日に「水泳競技会の再開に向けた感染拡大予防ガイドライン」を公開し、いずれもこれまでに何度も改訂を行い、これらガイドラインを順守しながら安全な競技会運営を行ってまいりました。それとは別に非公開ではあるものの代表候補選手の合宿におけるガイドラインなども作成しております。それらの中で安全な競技会運営を行う中でのポイントがいくつかわかってきました。


一番はメディアなどでも言われているように、とにかくマスクを着用することです。飲食中の会話による感染拡大など、一番危険なものは口腔や鼻腔などからの飛沫であり、飛沫による感染リスクはマスクによりかなり減らせることがわかってきました。そのため水泳競技ではプールの中(さすがに水の中ではマスクは着用できません)以外のプールサイドでの体操や、トレーニング、ストレッチなどの時でもマスクの着用を徹底するようになってきました。また同時にマスクをしていない選手からの感染拡大の経路として、飛沫により目の粘膜からの感染リスクが高いこともわかり、プールサイドのコーチ達がフェイスシールドやアイガードを着用することが推奨されています(普及はまだまだですが)。

  • プールサイドでのマスク、フェイスシールド着用

  • プールサイドでのマスク、フェイスシールド着用


逆に汗を介した感染はほとんどないことがわかってきたため、最初のころのようにビブス(水泳では使用しませんが)の使用を避けたりしなくてもいいことや、しゃべらずにマスクを使用していればバスなどの移動も可能であるということなどもわかってきました(実際、東京などの満員電車での感染拡大は非常にまれです)。正しい知識をいろいろと取り入れるようにして、競技会をどうしたらできるのか考えれば可能な限りの安全な競技会運営ができると思いますので、子供たちのために可能な限り多くの競技会を開催して欲しいと思います。

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